教員コラム~TOM'S薬箱~

我慢せず、早めに内服を開始しましょう。

花粉症(アレルギー性鼻炎の一つ)は、今や国民病とさえいわれるほど知れ渡り、有病率は国民の10~15% になると推定されています。一番知られているのはスギによる花粉症ですが、ヒノキ、シラカバ、ハンノキ、力モガヤなどのイネ科の植物、ヨモギやブタクサといった秋の花粉もあります。
では、花粉症とは何者なのか? これは、生体が異物(花粉)をくしゃみで吹き飛ばし、鼻水で洗い流し、鼻をふさいで花粉を除去しようとする働きが強く出たものです。
対策としては、①花粉の除去と回避、②おくすり、③減感作療法、④外科的治療などがあげられますが、病院では鼻アレルギー診療ガイドラインを参考にいくつかの薬を組み合わせて、その方の症状や生活にあわせて処方しています。花粉症は、どの花粉が原因かによって出現時期も症状のあらわれ方もまちまちです。
また、車の運転が必要な時や勉強中なと、眠気が出てはいけない方、妊娠中の方や他の病気をもっている場合にはお薬をいろいろ選択することが必要になります。
最近では飛散早期に薬を飲み始める初期治療が推奨されています。症状が強くなるまで我慢せず、早めに内服を開始しましょう。
減感作療法は、アレルギーを治す可能性のある唯一の方法ではありますが、現時点では副作用や長い治療期間などの問題があるため、新しい減感作療法である舌下免疫療法の研究が進められています。従来の減感作療法は皮膚への注射により原因の抗原工キスを体内へ入れますが、舌下免疫療法は舌の下に抗原工キスを入れ、花粉症の症状を根本から少なくさせようとする根本的治療法です。現在、厚生労働省の研究班で医師主導の臨床試験が行われているので、将来、利用できるようになるかもしれません。
大学病院では、外科治療として高周波を用いた粘膜下焼灼術(日帰り手術)を行っています。鼻閉型の方や薬の副作用で眠気が出て困る方、薬をたくさん飲むことができない方にも有効です。
メディア等からも多くの花粉情報を得ることができますので、参考にしてください。

●環境省花粉情報サイト

富山大学耳鼻咽喉科 安村佐都紀)