教員コラム~TOM'S薬箱~

関節リウマチについてご存知ですか?

皆さん、今年はインフルエンザの予防接種を受けましたか? 
ウイルスに対するワクチンの有効性は広く知られていますが、その効果が発揮できるのは、からだの中に異物が入ってきてもこれを排除する生体の免疫防御機構をうまく利用したおかげです。
通常、自己の成分に対しては免疫が働かないように調節されていますが、この機構が破綻すると自己の成分に対する抗体(自己抗体)が作られ、自分のからだを攻撃するために様々な病気が生じます(自己免疫疾患)。
代表的な疾患は関節リウマチ(以下リウマチ)です。患者数は全国で約70万人、富山県でも6,000~7,000人の患者がいると推定されており、決してまれな病気ではありません。また、リウマチというと高齢者の病気とみなされがちですが、発症は30~40才代の女性に多く、学生時代に発症される方もおられます。
症状としては全身の倦怠感とこわばり感、微熱、関節の腫れと疼痛(特に手指、手関節など小関節)です。発症早期ではリウマチ以外の膠原病やウイルス感染性関節炎との鑑別が重要で、診断が確定しない場合は専門医の受診をお勧めします。リウマチの有効な治療が行われないと、年余の経過で関節破壊をきたし、関節変形、機能障害に至ります。これまでリウマチの治療薬は限られ、治療に難渋することも多かったのですが、数年前から悪玉サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)をターゲットとした抗サイトカイン療法が難治性リウマチに使用できるようになり、大きな成果をあげております。また、リウマチの治療は薬物療法、手術療法および生活指導を含めたリハビリテーションが基本です。富山大学附属病院では各科横断的なリウマチ診療チーム(第一内科、整形外科、和漢診療科、看護部、薬剤部、リハビリテーション部、栄養部など)をつくり、リウマチ教育検診入院を行っています。ご興味のある方は第一内科ホームページまでいらしてください。

●第一内科ホームページ

富山大学附属病院 免疫膠原病科診療教授 杉山 英二)