富山大学薬学部／大学院医学薬学研究部
薬品製造学研究室
Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama
Laboratory of Synthetic and Medicinal Chemistry

医薬品に含まれる薬効成分の大部分は有機化合物であり、これら生理活性有機分子を創り出すための有機合成化学は、創薬研究において必要不可欠な基礎学問であるといえます。私たちの研究室では、創薬を念頭においた有機化学研究と教育を推進しながら、有用なオリジナル有機分子の設計と創出、またそのための新反応開発に日夜取り組んでいます。
生理活性有機分子やその類縁体をpreparativeレベルで「合成」、「変換」、「供給」することは、まさに有機合成化学の力量であり、薬学分野における有機合成化学の大きな意義の一つは、絵に描いた創りたい分子を自在に創出することができる「ものづくりの力」であると考えています。そのためには、新規方法論（新反応）の開発が必要であると同時に、逆にその進歩が「ものづくり」にパワーを与えることになり、有機合成化学発展のための両輪を成しています。このような考えのもと、主に以下のようなテーマを中心として研究を進めています。

（１）生理活性天然物を基盤とした分子設計と合成研究

（２）遷移金属触媒による連続的環化反応の開発と生理活性物質合成への応用

（３）分子内シリル基移動を活用した新規ドミノ型反応の開発