キャンパス・アジア

 

大学の世界展開力強化事業
「キャンパス・アジア」中核拠点支援事業

 

【目的】
 薬学領域では、創薬研究を担う人材の育成とともに、臨床現場において薬を使用・管理する高度な薬剤師の育成が求められています。本事業では、医療現場において薬物治療の要となる臨床薬剤師と、製薬企業において医薬品の品質管理・研究開発に携わる研究・技術者の育成を目的としています。とりわけ人材育成が遅れている和漢薬領域に照準を合わせ、和漢薬の専門知識を有するエキスパートを育成します。それにより、薬学領域を包括的に捉えることができる高度専門職業人の育成を目指します。中国、韓国では西洋薬と中(韓)薬を専攻する科が分かれていますが、これらの専攻を修了した学生を受入れ、西洋ならびに和漢薬に精通し、日本、中国及び韓国等のアジア地域の医療現場や製薬企業で活躍できる人材の輩出を目指します。

 

【概要】
 薬学教育制度が、平成18年度に《薬学部6年制》、《薬学部4年制+修士2年制》に移行したことに伴い、平成24年度に設置された大学院医学薬学教育部(薬学系)博士課程薬学専攻(4年制課程)及び博士後期課程薬科学専攻(3年制課程)に、それぞれ「高度薬剤師育成」と「創薬研究者・技術者育成」を主として、さらに和漢薬領域を加えた高度職業人育成コースを設置して人材育成を行います。(平成23年度は既存の大学院医学薬学教育部(薬学系)博士課程生命薬科学専攻に当該コースを設置しました。)
このコースでは、日本人に加え、中国、韓国等のアジア地域からの留学生を受入れ、一般の履修コースと学位取得に加えて、以下の特色ある教育を行います。

 

1. 医薬学の国際化、グローバル化を踏まえた「国際医薬学特論」、放射線の人体への影響を理解する「放射線基礎医学」を英語による講義として開講します。

 

2. 医薬品の効果と体内動態を理解するために、生命科学を基盤とする最先端の研究を体験できる「医薬品薬効動態学実習」と医薬品の製剤化とその品質の保証を理解するための生命・物質化学を基盤とする最先端の研究を体験できる「医薬品製剤開発学実習」を開講します。これらは、大学院医学薬学教育部(薬学系)担当のほぼ全研究室が担当します。

 

3. 3か月にわたる長期インターンシップ実習(病院特別実習、企業特別実習)を実施し、「医薬品の患者に対する適正使用に関する教育」及び「医薬品を創ることに関する教育」を実施し、実践力を有する人材を育成します。

 

【本事業で育成される人材像】
 博士課程の研究を通して、物事を論理的に考える能力を磨き、解決すべき課題に対して積極的に、根気よく取り組む意欲を持ち、さらに、人とのコミュニケーションを介して課題を共有し、協調して解決できる人材の育成に努めます。
その上で、以下の人材育成を行います。

 

1. 和漢薬等による診療を行う病院の医療現場等で長期インターンシップ実習を行い、さまざまな実務を経験することで、和漢薬領域に精通し、チーム医療を担うことのできる高度な能力・技能を持つ臨床薬剤師。

 

2. 和漢薬を取扱う製薬企業で長期インターンシップ実習を行い、研究・開発,品質管理等の実務を総合的に経験することで、和漢薬に精通した医薬品開発等の実践力を有する研究者・技術者。

 

3. 富山地域における歴史的伝統と大学が蓄積してきた研究・教育資産を活かし、日中韓等の学生が共通の場で学ぶことにより、国際性豊かな環境下で、薬学領域のさらなる発展を担うことのできる人材。