学会紀行 in サンディエゴ(2011/6)

71st American Diabetes Associationに参加して
大学院博士課程2年 東海 絵美

 6月24日から28日までの4日間、アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴにおいて開催されたアメリカ糖尿病学会に笹岡教授、恒枝准教授、同級生の市原君と共に参加しました。当研究室から投稿した笹岡教授の演題が、プレジデントポスター賞に選出され、研究室の一員として非常に誇らしく思いました。私の演題は誌上発表となり少し悔しい思いはありましたが、糖尿病研究の世界のレベルを自分の目で間近で見てみたいという思いから、この学会への参加を決意しました。
 サンディエゴまでの旅は、富山→成田→サンフランシスコ→サンディエゴで約13時間のフライトを予定していましたが、旅の道は平坦なものではなく、不運なことにサンフランシスコにおいて突然飛行機がcancelとなり、予定外にもサンフランシスコに一泊、ロサンゼルスを経由して小さい飛行機でサンディエゴへ向かうこととなりました。しかし、美しく趣あるサンフランシスコの町を見て歩くことが出来たことは良き思い出であり、今でも目を閉じるとあの町並みが浮かんできます。


 サンディエゴに辿り着いてまず、私達はスーツに着替え気合を入れて学会会場へ向かいました。そして、着いてすぐ、その会場の大きさに圧倒されました。会場内には一部屋に1000人は入るであろう部屋が33部屋用意されており、各部屋において、基礎研究から臨床までの様々な分野の研究発表が一日中催されていました。また、広大な部屋では、プレジデントポスターをはじめとする約2000演題のポスターが展示されており、各企業の展示も趣向を凝らした興味深いものが多数見られました。
 私は現在、中枢による末梢組織の糖代謝調節について研究しています。本学会ではこれらに関連した研究発表に特に注目して聞いてきました。また、中枢神経の摂食を制御する新たな見解や、肝臓の糖新生および脂質代謝に関する興味深い研究についても勉強してきました。特に、レプチンによる摂食抑制作用において、新たにGABAニューロンが介在しているという発表は非常に面白くインパクトがあり、当研究室の今後の研究にも参考になったと思います。自分の英語リスニング能力の低さもあり、殆どの研究発表が難しく感じ、今現在私が行っている実験の未熟さと、実験ペースの遅さに愕然としましたが、これで落ち込んでいてはいけません。このような大きな舞台で発表でき、世界の人々に認めてもらえるよう、今の自分に出来る最大のことを精一杯やらなくてはならないと強く思いました。また、研究の技術的な向上と共に、専門的な知識の充実もまた今の自分には必要であると痛感しました。
 今回のアメリカ糖尿病学会への参加は、研究活動に対するモチベーションを高めることができ、非常に有意義なものであったと思います。空き時間に、世界的にも有名なサンディエゴ動物園や、大リーグの観戦が出来たことも、とても楽しく良い思い出となりました。これからは、この学会を通して得た経験を生かし、さらに研究活動に励みたいと思います。