学会紀行 in 鹿児島(2023/5)

第66回日本糖尿病学会年次学術集会に参加して
大学院博士後期課程3年 宮澤 佑一朗

2023年5月11-13日の3日間、鹿児島県鹿児島市で開催された日本糖尿病学会年次学術集会へ参加しました。ここ数年COVID-19の影響により学会や会議はオンラインでの参加が主体でした。オンライン形式にもメリットはありますが、今回はコンピューターの画面越しではなく、現地でしか味わえない緊張感、発表後の個別の意見交換の貴重さを実感した学会でした。 学会初日は笹岡先生のシンポジウムから始まりました。食前の嗅覚認知と2型糖尿病予防の最新研究を発表し、観衆を魅了しました。続くデジタルポスターのセッションでは、博士後期課程1年の本多君、同2年の杉山君、同3年の桶川さんが満席の会場で普段通り安定感のある発表をしてくれました。その後も一般口演で和田先生、修士課程2年竹田君、私宮澤とバトンを繋ぐ盛り沢山の一日となりました。またその夜には先生方と食事を行い、鹿児島名物を味わいながら普段とは違った話題で盛り上がりました。

2日目は学会研究助成の報告会で小野木先生が堂々たる報告を行い、我々の研究室全員の発表が無事終了しました。また、各々興味のある会場へ足を運び、自らの研究への刺激を受けました。私は知識の乏しかった糖尿病性腎症のシンポジウムが印象に残っています。糖尿病病態では近位尿細管細胞におけるエネルギー代謝が解糖系優位に変化し、それらに対するSGLT2阻害薬による介入効果を検討されていました。その他、企業展示においても、移り行く市場の中での競争を目の当たりにし、新たな知見も得てきました。皆それぞれ今後の研究室生活を過ごすモチベーションを得たのではないかと思います。 最後に、本学会のテーマは明治維新発祥の地である鹿児島にちなみ「糖尿病学維新」でした。インスリン発見から100年が過ぎ、今後も大いに深化するであろう糖尿病学の革新的な進歩を身体と心で感じた学会となりました。非常に有意義な体験をさせて頂き、先生方をはじめ関係者の皆様に感謝申し上げます。おやっとさぁ〜でした(鹿児島弁で、“お疲れさまでした”の意)。