学会紀行 in ソウル(2019/10)

The 18th Japan-Korea Diabetic Nephropathy Seminar に参加して
大学院博士前期課程2年 前田 貴大

2019年10月24日から26日の期間、今年新しく開設されたばかりの梨花女子大学附属ソウル病院にて開催されたThe 18th Japan-Korea Diabetes Nephropathy Seminarに、笹岡教授、和田講師と共に参加しました。シンポジウム初日の開会前に、1887年に設立された女性専用病院「保救女館」を見学しました。韓国では伝統的に女性は女性の医師が診察にあたる習慣があり、保救女館は韓国初の女性専用病院として、19世紀後半にメソジスト教会の女医・メタハワードにより建立されました。女性を保護し救う、その精神が梨花女子大学に受け継がれており、韓国医療の歴史的背景を実感しました。また2日目には、全く新しい梨花女子大学ソウル病院の内部を見学させていただきました。特に印象に残ったのは「Clinical Command Center」という部屋です。ここでは、全患者の心電図や映像をモニターで確認でき、先端の医療体制を肌で感じることができました。

シンポジウムの初日は8つの講演があり、糖尿病および糖尿病性腎症に関連した最先端の研究成果が報告されました。本シンポジウムは私にとって2度目の学会発表であるにもかかわらず、英語で20分間の口演発表であることから、シンポジウム開始前から緊張や不安が募っていました。また、各演題の質疑応答も活発に行われ、十分理解できない時もありました。しかし日韓両国の先生方の研究成果はどれも素晴らしく、口演を聞いているうちに、不安が高揚感へと変わりました。

私は学会2日目の2演題目に発表を行いました。私の研究テーマは、視床下部ペプチドであるオレキシンによる抗糖尿病作用についてです。初の英語での発表であるため、スライドおよび原稿の作成に思った以上に苦戦しましたが、研究室の先生方のご指導のおかげで、自分の想像以上に良い発表ができたと感じました。また、発表後の休憩時間には日韓両国の先生方と、自分の発表について議論させていただくことができ、充実感を覚えました。

今回の国際シンポジウム参加を通して、最先端の研究を学習するだけでなく、研究者としての考え方や在り方を学習することができ、非常に有意義な経験をさせて頂きました。今回の経験を糧にして、このような素晴らしいチャンスをまた得られるよう、今後の研究活動に励みたいと思います。