学会紀行 in 仙台(2019/5)

第62回日本糖尿病学会年次学術集会に参加して
大学院博士前期課程1年 佐藤 清史

2019年5月23-25日の3日間、宮城県仙台市で開催された糖尿病学会へ研究室一同で参加しました。第62回を迎えた今年の学会のテーマは 「DM4.0」。治療の三本柱、三大合併症など、糖尿病においては3という数字が大きな意味を持ちます。そこに新たな風を吹かせたいとの願いから、このようなテーマとなったそうです。

学会初日は当研究室の発表者全員の発表が行われ、研究室メンバー全員で応援に向かいました。口頭発表を行った博士前期課程の前田先輩とポスター発表を行った桶川先輩は、初めての学会発表が全国区の大舞台にも関わらず、終始堂々とされていました。博士後期課程の石川さんと渡邊さんのポスター発表は、非常に安定感のある立派なもので、後輩として非常に誇らしく思いました。私と同じ睡眠をテーマに研究をされている今先輩の口頭発表は、冷静に進められた説得力のあるすばらしい発表で、これこそ私の目指すプレゼンテーションだと感じ、尊敬の念がより一層深まりました。本学医学部産婦人科の田中先生もポスター発表を行われました。研究と医師業務を両立し、素晴らしい成果を発表されていることに感銘を受けました。恒枝先生の口頭発表では、発表はもちろんのこと、的確さと強い説得力を兼ね備えた質疑応答に憧れを感じました。この日の夜には研究室食事会が催されました。仙台名物である牛タンを食しながら、皆で研究に関する真面目な話題からたわいもない話まで、様々に語り合い、親睦を深めることができました。また、駆けつけてくださったOBの方々から、非常に有意義なお話を聴かせていただくこともできました。

2日目と最終日は、各々が興味のある演題を拝聴しました。今年は肝臓に焦点を当てた演題が多く、「第6回肝臓と糖尿病・代謝研究会」も同時開催されていました。現在の糖尿病研究において、肝臓は最も注目されている臓器のひとつであり、当研究室の肝臓をテーマとした研究グループの今後に期待を感じずにはいられませんでした。また、血糖降下薬として知られるSGLT2阻害薬の新たな側面にフォーカスした演題も多くあり、どれもセンセーショナルな知見ばかりでした。既存の治療薬の知られざる効能を明らかにしていく研究に大いなる興味を抱きました。

今年の糖尿病学会もレベルの高い報告が集まり、研究室メンバーそれぞれがたくさんの知見を得て富山に帰ってきたことと思います。「DM4.0」と掲げられた学会に参加したことで、ひとりひとりが新たな目標や高いモチベーションなど、今後の研究室生活に活かせる「第4の何か」を得ることができました。したがって、学会に参加した経験は、今後の病態制御薬理学研究室にとって大きな追い風になると確信しています。