学会紀行 in 下関(2015/5)

58回日本糖尿病学会年次学術集会に参加して

博士前期課程 2年 今 寛太 

 2015521-233日間、山口県下関市で開催された糖尿病学会へ、研究室一同で参加しました。今回は私が病態制御薬理学研究室に配属されて3回目の糖尿病学会でしたが、今年ついに口演発表の機会を得、緊張のなか会場に向かいました。
 学会初日は小野木先輩の口頭発表に始まり、研究室メンバー全員で応援に向かいました。大勢の聴衆の前でも普段通りに発表/質疑応答をこなす姿は流石であり、来年以降は自分もこんな風になりたいと思わずにはいられません。また、出展企業の商品紹介ブースにより、市場規模の大きさを再認識しました。比較的新しい糖尿病薬であるSGLT2阻害薬やDPP-4阻害薬のブースが大きな割合を占めたことは、去年と同様でした。初日の特別講演では、世界の糖尿病研究の第一人者であるRalph Anthony DeFronzo先生による、糖尿病と腎臓の関連に関する講義を聴くことができました。すべて英語によるご講演だったため、理解度は8割程度でしたが、最先端の研究についてお話を聞くことができる貴重な経験でした。
 多くの学生は会場周辺の旅館に宿泊していたため、その日の夜は勉強してきた内容や翌日の発表会場の移動予定について話して過ごしました。
 学会2日目は同期の石川さん、和田先生そして鮫島先生の3人の発表があり、こちらもみんなで応援に行きました。先生方はもちろんのこと、同期である石川さんも堂々と発表しており、発表を翌日に控えた自分へのよい刺激になりました。
 2日目の最後には先生方が研究室食事会を開いて下さったので、会場を歩き回った疲れが癒されました。また、その食事会には病態制御薬理学研究室のOBで、山口大学で研究をしておられる香川先生にお越しいただき、激励の言葉を頂きました。
 学会最終日は東海先輩、私、恒枝先生の順でオレキシン研究グループが中枢性代謝調節のセッションで発表しました。このセッションには自分の研究に関連する発表が多かったため、興味深い話を多数聞くことができました。また、一見自分とあまり年齢の変わらない、比較的若い演者による発表が数多くありました。彼らの発表から、研究が着実に前へと進んでいることが伝わってきて、自分も負けられないと感じられました。
 学会期間中は、興味のある発表がそれぞれ別の会場で行われることが多く、空いてしまった時間に会場周辺を散策しました。学会の参加登録者は会場に隣接する水族館へ入館することが出来、また下関の対岸にある門司港会場への船舶往復チケットも配布されたので、ペンギン村と関門汽船を満喫してきました。
 今回の糖尿病学会は遠い山口で開催され、就職活動や別の学会発表などを控えたメンバーも参加しました。そのため、学部学生も大学院生も皆それぞれ自分の学ぶべき事を見つけ、今後の研究室生活を有意義に過ごすモチベーションを得たのではないでしょうか。特に私は自分の研究がまだ途上にあることを再認識し、今後の研究への良い刺激を貰ってきました。この経験を糧にして、卒業までに自分の研究を発展させ続けたいと考えています。