生体認識化学研究室

Laboratory of Biorecognition Chemistry

化学の矢で創薬の標的タンパク質を射抜き、捕らえ、活用する

優れた化学は生命の新たな事実を伝え、その知識は新しい考え方を生み出します。例えば、独創的なケミカルバイオロジーのツールは測定機器の高性能化と相俟って、これまで「見えなかった」生体物質の発見に繋がり、それらはしばしば従来概念を一変させます。さらにその生理機能や疾患との関わりを理解するには、作用するタンパク質を知る必要があります。しかし、標的タンパク質の同定は煩雑な場合が多く、事実、現在使用されている多くの薬の標的タンパク質はわかっていません。標的が分かれば発症機序の解明に繋がり、そのまま抗体医薬やin silico創薬に展開できます。 我々はoff targetも含めた相互作用タンパク質群を一気に特定する切れ味鋭い「光」技術など独自のテクノロジーを開発し、創薬初期段階の大幅な簡略化や、予期しない新たな薬理作用や創薬標的の発見を目指しています。

主な研究テーマ

1.相互作用生体分子を特定し解析する高性能光技術
2.シグナル分子関連タンパク質群の包括的探索
3.タンパク質構造変化の多点モニタリング技術
4.標的タンパク質を機能化する独自カップリング反応

5.標的タンパク質を利用したリード化合物の最適化