教授からのメッセージ

臨床薬品作用学研究室を2022年11月より担当させていただいています。当研究室では、「糖尿病」の病態進展機序を解き明かし、糖尿病の新しい予防法や早期治療法を創出することを目指しています。

今日、世界的規模で肥満や2型糖尿病が蔓延しています。その要因として、過食や運動不足など、近代以降の生活習慣の急速な変化や、高齢化社会の進展の影響が挙げられます。糖尿病に長期間罹患すると重篤な合併症や多くの併存症の発症リスクが増大しますので、糖尿病を未然に防ぐことが重要です。そこで当研究室では、臓器連関、睡眠・覚醒リズム、老化、未病、肥満をキーワードに、糖・脂質代謝の動的恒常性の維持機能を効果的に高める介入法を探索しています。これまでに、中枢性代謝調節の新機構(視床下部オレキシン-糖代謝、嗅覚-脂質代謝連係機構)、ホルモン(エストロゲン、アルドステロン等)による代謝機能の調節機序、末梢組織の慢性炎症・インスリン抵抗性進展機序(血管新生依存的な脂肪組織肥大化機序、脂肪肝炎の進展機序)など、様々な介入の糸口を見出しており、今後さらに可能性を広げていきたいと考えています。

このような成果は、薬品作用学研究室(木村正康教授)、臨床薬理学講座(木村郁子教授)、病態制御薬理学研究室(笹岡利安教授)、臨床薬品作用学研究室と、名前は変化しながらも60年以上継続してきた糖尿病研究の伝統のもと、所属学生の多大な努力によって生み出されたものです。臨床薬品作用学研究室の教育理念は、くすりの富山の伝統を受け継ぐ富山大学薬学部を「舞台」に、所属学生一人ひとりが主体的に学術研究に挑戦することを応援し、自身の活躍が社会貢献に繋がる喜びを実感していただくことです。当研究室での学びが未来を切り拓く力となり、将来、夢のある世界を創出できる社会人として末永く輝いて頂きたいと願っています。

恒枝 宏史
教授写真