学会紀行 in マドリード(2024/9)

60th European Association for the Study of Diabetes (EASD)に参加して
大学院博士課程3年 杉山聖典

2024年の夏に欧州スペインのマドリードで行われた欧州糖尿病学会(EASD)に参加した。これまでに国際学会には2度参加し、口頭で発表する機会に恵まれましたが、いずれもコロナ禍でのオンライン開催でした。実際に海外に赴く本学会への参加が決定してから、ワクワクとドキドキを感じていました。私は英会話が得意ということもなく、研究室内で積極的に英語を用いてきたわけでもありませんでした。そこで、本会での発表に向けて、先生方の全面的な協力体制の下、今まで以上に入念な準備をして本番に臨みました。学会では練習通りの発表を行うことができ、質疑では用意しておいた回答や自身の持つ英語能力をフル活用し、真摯に応答することができました。学会会場では、世界各国から集結した先生方の口演が多数行われました。私達の研究室からは和田先生の発表もありました。とても大きな会場で発表されていた和田先生がいつも以上に頼もしく感じられました。

ヨーロッパには歴史の遺物や美術品などが当時のまま現存しており、中でもマドリードはスペイン王国・スペイン帝国の盛衰や、スペイン独立戦争、スペイン革命など歴史の教科書に書かれているようなことを建造物や絵画・彫刻などからそのまま感じることができます。現在でも国王が居住している王宮を訪れ、歴代の国王が用いていた食器・調度品などを見ることができました。マドリードの街並みも、ヨーロッパを象徴するような石造りの建物、オレンジ色の屋根、石畳の道路など、スペインの人々が生活を営んでいた当時の風景がそのまま残っています。また特に、プラド美術館では非常に有名な絵画「ゲルニカ」を拝観し、大きな感銘を受けました。

国際学会に現地参加することは、オンラインでは決して味わえないような貴重な経験でした。学会での対面での質疑応答に加え、現地の文化・歴史を体感することができました。この経験が自身の国際的な価値観の形成にもつながると実感し、私の人生においても重要な機会となりました。