学会紀行 in 蔚山(2017/10)

The 16th Japan-Korea Diabetic Nephropathy Seminar に参加しました
大学院博士後期課程2年 今 寛太

2017年10月19日から20日に韓国蔚山広域市にて開催されたThe 16th Japan-Korea Diabetic Nephropathy Seminar に笹岡教授、和田講師と共に参加する機会をいただきました。開催地である蔚山広域市は、現代自動車のお膝元であり、着陸する飛行機からは壮大な工業都市の様子を見ることができました。

空港と会場を結ぶ高速バスには、停車ボタンと同数の緊急脱出用ハンマーが備え付けられており、異国情緒を感じさせました。会場であるUlsan National Institute of Science and Technology (UNIST) には15時頃に到着しました。UNISTは2009年に発足した研究・教育機関であり、国内最高水準の教育体制を敷いています。掲示物や案内板が完全英語表記であることからも、UNISTが目指す教育像を伺い知ることができます。

学会初日は8演題の発表があり、日韓両国から糖尿病性腎症に関連した最先端の研究成果が報告されました。発表および質疑はすべて英語で行われたため、理解するのは大変でしたが、どうにか英語で質問することができました。初日最後の演題は和田講師が勤めました。難しい質問が相次ぎましたが、日本語と変わらないスピードで議論されていたことが印象的でした。

学会2日目には自分の出番が回ってきました。私は、性ホルモンであるエストロゲンの中枢作用による抗糖尿病作用について研究を行っています。複雑な発表内容でしたが、研究室の先生方のご指導のおかげで、英語での発表を会場の皆様に理解していただけました。また、いくつかご質問もいただき、有意義な学会となりました。

2日目の午後はUNISTの一部施設を見学させていただきました。特に、透明化処理したマウスの全脳から、特定領域のみ可視化して撮像する装置の紹介が印象的でした。当研究室でも鮮明な蛍光免疫染色画像を得ることには苦労していますが、紹介していただいた画像は綺麗で、さながら芸術品のようでした。

昨年10月に旭川で報告された時に比べ、どの研究グループも着実に研究を進めている印象を受けました。今回の学会では、国際学会での発表経験を積み、自身の研究を推し進めるモチベーションを高めることができました。