植物が薬効成分を作り出すメカニズムを学び、そして応用をめざす
植物あるいは微生物は、動物とは大きく異なる進化のプロセスを経た結果、二次代謝をはじめとする様々な独自の能力を獲得してきた。薬用生物資源学研究室は、植物や微生物特有の細胞機能あるいは構成成分を分子生物学的あるいは生物有機化学的立場で解析・制御・改変することで、医薬品やそのシーズとなる有用天然物の探索や生産性の向上に新規な方法論を提供することを目指している。

主な研究テーマ
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植物由来の有用天然物生合成酵素の分子生物学的解析:主にセスキテルペン、ジテルペン系化合物を対象として、その生合成酵素をコードした遺伝子のクローニングと発現特性、更にアミノ酸配列への変異の導入による触媒機能の改変等について研究を行なっている。
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植物二次代謝発現に関わる細胞内情報伝達機構:二次代謝関連遺伝子群の発現を誘導する細胞内情報伝達系、とりわけ、脂肪酸から生成するジャスモン酸誘導体の植物ホルモンの作用機作を解明し,有用天然物の生合成を制御・操作することを検討している。
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ウイルス感染症や免疫系活性化に有用な天然物あるいは天然物由来糖鎖を探索し有効活用することを試みている。