製剤を工学的に評価・設計し、医薬品の品質向上に貢献する
当研究室では、医薬品を工学的側面から調査する製剤工学の研究に取り組んでいます。特に、核磁気共鳴(NMR)における緩和現象を利用した、製剤の物性評価に関する研究を行っています。医薬品の有効性・安全性を保証する観点から、製剤に含まれる有効成分の物性を正しく評価することは必要不可欠です。これまでの研究では、低磁場NMR装置を用いたT1およびT2緩和の測定は、固形製剤における結晶形評価やナノ微粒子製剤における薬物粒子の凝集評価に有用であることを実証してきました。ベンチトップ型の低磁場NMR装置は、緩和測定に特化しており、測定は短時間で完結するため、医薬品製造におけるプロセス解析技術への応用が期待できます。

主な研究テーマ
核磁気共鳴の緩和現象を利用した、製剤の物性評価法の開発
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固形製剤における有効成分の結晶性
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ナノ微粒子製剤における分散性
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非晶質固体分散体における分子~ナノサイズの混和性