知の東西融合を旗印に、薬学のヒューマニズムを研究教育する
私たちが暮らす現代社会は、科学技術の飛躍的な発展を基盤として、それなりに便利で快適になったと言えるでしょう。しかし、先端的な研究開発はきわめて複雑で十分に先が見通せないため、その進め方や普及のさせ方をめぐって、人々の意見や利害がさまざまに対立しています。例えば、生命体を複製するクローン技術は畜産業で大きな成果を上げていますが、それをヒトに応用することは法律で禁止されています。そうした法規制は「倫理的な葛藤状況(ディレンマ)」に対する現実的な対応であり、社会制度として設計された当座の枠組みにほかなりません。本研究室では、特に生命(医療と健康)・環境・情報の分野について、倫理的な葛藤状況の分析と克服に挑む「応用倫理学(Applied Ethics)」の国際的な動向を調査研究しています。

主な研究テーマ
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現代応用倫理学の横断的研究:高度科学技術社会の「インテグリティ倫理学」
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近代日本哲学の資料史的研究:哲学辞典の編纂史、桑木厳翼、三木清ほか
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カント人間学の発展史的研究:理性批判の地理学モデル、性格形成論の生成史
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ミクロコスモス思想の系譜学:Paracelsus, Hermann Lotze, Max Scheler etc.