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薬物生理学(生物物理化学)研究室の歴史    

昭和44.4~昭和53.3 薬剤製 薬剤製造学 堀越 勇 先生
昭和53.4~昭和61.3 製剤

物理薬剤学
(製剤学)

竹口 紀晃 先生
昭和61.4~平成 2.6 生物化 物理薬剤学
(生物物理化学)
竹口 紀晃 先生

平成 2.6~
平成 17.2~

生物化 薬物生理学
(生物物理化学)

竹口 紀晃 先生
酒井 秀紀

 

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薬物生理学(生物物理化学)研究室のあらまし

富山医科薬科大学発足時,当研究室の大講座名称は物理薬剤学であり,竹口紀晃が助教授として富山大学より配置換となり研究室がスタートした。竹口は昭和57年7月に教授に昇任した。平成2年度の改組により,物理薬剤学(教授定員3)は薬剤設計学(教授定員2)および薬物生理学(教授定員2)の2つの大講座に分かれ,竹口は薬物生理学講座教授に就いた。その後,竹口は平成16年3月までの長きにわたり,当研究室の教育,研究に多大な尽力をした。平成17年2月より,酒井秀紀が研究室を担当している。
平成8年以降の当研究室のスタッフは,竹口(平成11年4月薬学部長,平成14年8月副学長,平成16年4月名誉教授),酒井(平成10年5月助教授,平成17年2月教授に昇任),森井孫俊(平成17年4月助教授に昇任,現鈴鹿医療科学大学教授),浅野真司(平成8年3月当研究室助手から遺伝子実験施設助教授に昇任,現立命館大学薬学部部教授),高橋佑司(平成17年11月助手,平成19年4月助教,現薬局勤務),清水貴浩(平成21年4月准教授に採用,自然科学研究機構生理学研究所より),藤井拓人(平成21年9月助教に採用,日本学術振興会特別研究員より)である。酒井は平成8年9月より平成10年4月までフランス共和国CNRS分子細胞薬理学研究所でNa+チャネルの分子生物学的研究を行い,清水は平成18年10月より平成20年6月までベルギー王国ルーベンカトリック大学医学部でTRPチャネルの電気生理学的研究を行った。


竹口は胃プロトンポンプの研究で世界をリードし,国内製薬メーカーの新規胃プロトンポンプ阻害薬の開発に重要な役割を果たした。その後,酒井と森井がその流れを引き継ぎ,酒井は胃プロトンポンプと分子会合や機能共役するイオン輸送蛋白質の研究,森井は高性能コンピュータを駆使した胃プロトンポンプの分子動力学的研究や胃プロトンポンプのフリッパーゼ機能の分子機構の解明などを行ってきた。当研究室で発見した胃酸分泌細胞の細胞防御塩素イオンチャネルも重要な研究テーマである。


大腸のイオン輸送の研究も精力的に行ってきており,ラット大腸粘膜で抗ガン剤により引き起こされる新規下痢機構を発見した。酒井,藤井は当大学医学部第2外科の塚田一博教授らと,ヒト消化管組織を使った共同研究を行っており,胃や大腸組織におけるイオンチャネルの調節機構やガン組織におけるポンプやチャネルの発現変動機構などのテーマに取り組んでいる。


清水は,電気生理学(パッチクランプ法等)のスペシャリストであり,容積感受性Cl-チャネルやTRPP3チャネルの研究、消化管細胞のイオンチャネルの研究に精力的に取り組んでいる。藤井はガン細胞におけるポンプやトランスポーターの全く新規の病態生理機能の解明に取り組んでいる。

 

平成24年度の講義科目は生物物理化学(2年次生対象,酒井,清水担当),富山のくすり学(3年次生対象,酒井担当:分担),物理薬剤学(3年次生対象,酒井担当:分担),トランスポーター論(3年次生対象,酒井,清水担当)である。講義では,基礎的内容に加え,時代に沿った新規内容を盛り込んでいる。実習は医療系実習(生物物理化学・製剤学実習)を担当している(酒井,清水,藤井)。


平成24年3月までに当研究室で修士課程を修了した学生は92名,博士課程を修了した学生は16名であり,主として製薬企業研究者や大学教員として活躍している。最後に,当研究室の設立当時からの伝統を3つ。1)毎週月曜日夕方のセミナー。学生の英語文献読解力を高めている。就職してもここで養った力が通用しており,企業からの評判も良い。2)土曜日は休みではない。学生全員が実験等に励んでいる。3)教授室のゴムの木。竹口が育て,これまで在籍したすべての研究室員にとって共通の話題になる大切な木。現在は大木となり元気に生育中。(敬称略; 酒井 秀紀 記)

 

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研究室の教育・研究方針

                       薬物生理学研究室教授    酒井 秀紀    酒井秀紀

道徳と礼儀
最近の日本では,憂慮すべきことに,本旨を著しく歪曲させた報道や世論をある特定の方向に導くような報道が数多く見受けられます。なかでも報道を通じて,個人や組織をとことん攻撃するやり方はいかがなものかと思います。相手の気持ちや立場を全く考えていません。これはある種の「いじめ」と言えるかもしれません。これだけ日本のトップリーダーが頻繁に変わっていることや,パフォーマンス・口先攻撃が得意なリーダーがもてはやされていることは,報道の影響力が大きいと思います。決して日本にとってハッピーなことではなく、極めて深刻な状況だと思います。

日本は,大切な伝統,文化,道徳,礼儀を失ってきているように感じます。何か起こると「他人のせい」にしていることが多すぎます。偏重した報道の影響が少なからずあると思います。今,根本的に見直すべきことの一つは「道徳と礼儀の教育」だと思います。家族,学校の教員,地域の人々等が努力して日本の将来を任せられる人材を育成することはもちろんですが,道徳と礼儀について造詣の深いブレない方々が日本のリーダーとならない限り,再生は難しいように思います。現状に対して強い危機感と不安を覚えます。

私は微力ではありますが,当研究室に所属する学生に対して,「道徳と礼儀」について長い時間をかけ重点的に教育するようにしています。当然ですが政治的、宗教的な意味合いは全く含んでいません。中立的スタンスに基づいてのことです。この際,各々の学生の個性が失われないよう十分に気をつけています。謙虚な心や他人に対する思いやりの心を持ちつつ,他人に負けない自己アピールのできる人づくりが大切だと考えます。

個性の履き違えに注意
私は,医療関係者が,患者に不快,不安な思いをさせる態度や身なりは「個性」としては認められないと思います。たとえば,年輩の患者さんに対して,薬剤師を含めた医療関係者が子供に話しかけるような失礼な言葉遣いをしているのをよく見かけます。その理由の一つは「親しみをもったコミュニケーションができるから」だそうですが,身勝手極まりないと思います。年輩の方々に丁寧に尊敬の念をもって話しかけてコミュニケーションが崩れることはあり得ないと考えます。
あと医療関係者のカラフルな髪。仮にご自分が患者だったとして,髪の毛を派手に染めた医療関係者に安心して手術や調剤を任せられるでしょうか?中には全く気にしないという方がいらっしゃるかもしれません。しかし不快,不安な思いをされる方も必ずいらっしゃるはずです。医療関係者はすべての患者に対して満足を提供できる努力をしなければならないと思います。カラフルな髪(原状の喪失)と白髪染め(原状への復元)とは本質が違います。

研究に対するスタンス
最近,地球温暖化,環境破壊,水質汚染など地球規模の問題がさらに深刻になっています。これらの原因は,もとをたどれば人間の身勝手さにあると思います。私たち人類は,自然から謙虚に学ぶべきなのですが,実際は自然を都合の良いように操っている場合が多いと思います。人間は「便利さに慣れると,不便には後戻りできない」性質を持つ生物であることから,人間によって地球環境は加速度的に悪化しています。
研究を行う際には,あくまでも人間の物差し(尺度)を使って,生理現象を明らかにしていることを気に留めておくことが必要だと考えます。人間によるサイエンスで自然現象のすべてを解決できると決めつけてかかるのは危険な部分があると思います。あくまでヒトは自然界から見れば一生物にすぎません。前向きで積極的な姿勢と同時に,自然から学ぶという謙虚な姿勢で研究に取り組むことが大切だと考えます。

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学生の皆様へ

リサーチ

 

研究対象:ヒト、実験動物の胃・腸・肝(組織、細胞、オルガネラ、タンパク質、遺伝子)

研究分野:細胞生理学、電気生理学、分子生理学、生物物理化学など

研究目標:イオン輸送を担う膜タンパク質(ポンプ、キャリア、チャネル)が関与する病気のメカニズムを解明し、新規医薬品の開発につなげること。これまでに、パリエット(胃プロトンポンプ阻害剤)の開発、塩酸イリノテカン(抗がん剤)の副作用解明(新規下痢メカニズムの解明)などに当研究室の実験結果が貢献している。医学部、和漢研と共同研究を行っており、大腸癌、肝癌などに関与するポンプやチャネルの研究を進めている。

当研究室で身につけられること
研究に対する好奇心、研究を一人で行う力、セミナー等で討論する力、プレゼンテーションをする力、コミュニケーション力、英語力など。

  (23年度講座旅行にて)

 

薬物生理学研究室が大切にする6つのP

Personality(人柄)

Possibility(可能性)

Power(パワー)

Process(プロセス)

Progress(進展)

Professional(玄人)


                   

当研究室の特徴 

みんなが協力して、世界を相手にしたハイレベルの研究レースに勝ち抜こうと頑張っています。学生のまとまりが良く、お互い思いやりの気持ちをもって研究室を盛り上げています。オープンな雰囲気。みんなの誕生日会を欠かさず行っています(ケーキ・素敵なプレゼント付)。研究室の様子を知りたい方はいつでも見学に来て下さい。

最近の進路状況
【平成23年度】修士:本学博士後期課程進学、小野薬品工業(研究)、日医工(学術);6年生:スズケン(管理薬剤師);4年生:本学博士前期課程進学(2名)、大阪大大学院
【平成22年度】修士:小野薬品工業(臨床開発)、武田薬品工業(MR)、三和化学研究所(MR);4年生:本学博士前期課程進学(2名)
【平成21年度】修士:日本学術振興会特別研究員(DC1);4年生:本学博士前期課程進学(3名)
【平成20年度】博士:日本学術振興会特別研究員;修士:ナガセ医薬品株式会社 (研究)、公務員(群馬県)、日医工株式会社(研究開発);4年生:本学博士前期課程進学(5名)
【平成19年度】修士:武田薬品工業(研究)、公務員(富山県);4年生本学博士前期課程進学(4名)
【平成18年度】博士:ゼリア新薬工業(研究);修士:武田薬品工業(研究)、小野薬品工業(臨床開発);4年生:本学博士前期課程進学(5名)、諫早記念病院(薬剤師)
【平成17年度】修士:本学博士後期課程進学、公務員(茨城県);4年生:本学博士前期課程進学(2名)、調剤薬局(1名)
【平成16年度】修士:小野薬品工業(臨床開発)、日本新薬(研究)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公務員(新潟県);4年生:本学博士前期課程進学(6名)、調剤薬局 (1名)
【平成15年度】博士:山之内製薬(研究);修士:塩野義製薬(研究)、エーザイ(研究)、小野薬品工業(研究)、興和(研究)、本学博士後期課程進学;4年生:本学博士前期課程進学(4名)、刈谷総合病院 (薬剤師)、秋田県厚生農業協同組合連合会 (薬剤師)

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