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薬学概論講義報告

(平成3年卒)嶋 田 修 治

従来から薬学部の新入生を対象に「薬学概 論」の講義が行なわれてきましたが、平成14 年度からの新しい試みとして、富山薬窓会会 員が講師として参加し「薬学概論」の講義の 一部を行なうことになりました。

薬学部卒業 後にできる仕事の内容、やり甲斐、魅力と厳 しさ、更には学生時代に学んで欲しいことな どを、先輩から後輩に伝えることによって新 入生の学生生活と卒業後の進路選択に役立て ることが目的だそうです(おくだ第80号)。

本年度は4名の講師が選出され、今回その中 の一人として参加の機会をいただきましたの で、ご報告いたします。

私は現在病院薬剤師として勤務している関 係から、病院・診療所および保険薬局勤務の 薬剤師の業務内容を担当することになりまし た。薬剤師としての仕事の面白さを後輩に伝 えたくて、「あれも言いたい、これも言いた い」と準備段階から色々思いをめぐらせる一 方、真っ白な新入生の心と将来の進路決定に 大きな影響を与えかねない責任の重さをひし ひしと感じ大変に緊張しました。

薬剤師の業 務は最近大きな変革を遂げ、調剤、製剤、医 薬品情報活動、病棟活動および研究など多岐 にわたっています。それらのすべてを理解す るには自分の目で見ることが一番なのです が、講義という性質上そうはいきません。そ こで可能な限り医療現場の中で働く薬剤師の 姿を記録した写真を多く取り入れ、臨場感を 味わってもらうことを第一に講義内容を構成 しました。

今回の資料作成にあたっては医師、 看護師、患者および保険薬局など多くの方々 にご協力をいただきました。

講義は9月6日に203講義室で行ないました。 この講義室は入学試験会場でもあり、また大 学生活のスタートを切った講義室でもあるた め、私にとって特に思い出深い場所でした。 机、黒板その他教室の所々に増えた汚れや傷 に11年の歳月を感じつつ、楽しかった学生時 代のあの日に戻った懐かしさに浸ることがで きました。講義への真剣な眼差しの一年生に 対して、「時を戻せるのなら大学時代に…… と言えるような、充実した学生生活を過ごし て下さい」と今回一番伝えたかったことを最 後に述べました。

講義終了後の満足そうな学 生達の顔から「先輩としてちょっとは後輩の 役に立てたかな?」と、大役を果たせた安堵 と、逆に学生達からも元気をいただき、有意 義な90分間を過ごすことができました。 最後になりましたが、私のような若輩にこ のような機会を与えていただいた、富山薬窓 会首都圏支部の皆様に感謝を申し上げます。

 

 

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