研究室

遺伝情報制御学研究室

准教授 廣瀬 豊 助教 田中 亜紀

 近年,ヒ卜などの真核多細胞生物では,多能性幹細胞から様々な組織や器官の細胞への分化とその逆行である脱分化は,可逆的に制御しうることが明らかとなった。 正常細胞から癌細胞などへの形質転換を含めた,これらの事象の方向性は,遺伝子発現を制御する因子で決定される。細胞核内に収納された遺伝情報の発現は,転写過程と,それに密接に関連するク口マチン修飾やRNAプ口セシングなどの過程によって制御されている。私たちの研究室では,以下の3つのテーマを分子レベルで解析することで,ヒ卜遺伝情報発現制御機構の解明と,ヒ卜の健康維持に貢献することを目指している。

主な研究テーマ

  • 1. RNAポリメラーゼⅡ(PolⅡ)による転写開始制御の分子機構の解明
    タンパク質遺伝子の正確な位置からの転写開始は,PolⅡと基本転写因子などから構成される転写開始複合体によって調節されている。この複合体内のタンパク質修飾や構造変換による転写制御機構の研究。
  • 2. メディ工ーター複合体よる遺伝子発現制御機構の解明
    メディ工ーター複合体は,様々な転写因子からの制御シクナルを転写開始装置に伝える約30サブユ二ッ卜から成る巨大複合体であり,生体の恒常性維持や細胞の分化決定に中心的な役割を果たしている。メディ工ーター複合体中のキナーゼ活性をもつモジュールによる遺伝子発現制御機構の研究
  • 3. PolⅡ-CTDを介した遺伝子発現の協調的制御機構の解明
    PolⅡ最大サブユ二ッ卜C-末端領域 (CTD) は,転写の際にダイナミックなリン酸化を受け,様々なRNAプ口セシングやク口マチン修飾に関与する因子の足場として機能している。CTDキナーゼとフォスファターゼの機能解析を中心とした,CTDリン酸化制御を介する遺伝子発現の協調的制御機構の研究。