ヒトなどの真核多細胞生物では、多機能性幹細胞から組織や器官の細胞への分化と脱分化は、可逆的に進行しうることがわかりました。正常細胞から癌細胞などへの形質転換を含めた、これらの事象は方向性は、少数の遺伝子とこれらの転写を制御するマスター転写因子、染色体の構造を変えるコヒーシン、遺伝子発現を強調的に制御するメディエーター複合体の3種類の因子で決定されることが、明らかになってきています。そこで私たちの研究室では、以下の3つのテーマを分子レベルで解析することで、生命の健康維持に貢献することを目指しています。
1. 転写開始の際、RNAポリメラーゼU(Pol U)がいかに活性化されるかの分子メカニズム研究
2. Pol Uリン酸化と協調して制御されるメディエーター複合体を中心とした遺伝子発現事象の研究
3. 細胞外シグナルから転写に至る代謝システムとその破綻による疾患治療の創薬的研究