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活躍する卒業生・修了生たち

世界に通用する新薬を
1日でも早く患者さんに届けたい

加賀谷 賢太
平成15年学士・平成17年修士
田辺三菱製薬株式会社 研究本部

私は、「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」との企業理念のもと、世界に通用する新薬を1日でも早く、1人でも多くの患者さんのもとへ届けるべく、研究開発に取り組んでいます。医薬品の創製は十数年の年月と莫大な研究開発費を要し、新薬は多くのステージを経て有効性と安全性が確認され、審査承認を経て発売されます。私はその中で薬理研究に従事しており、ミッションとしては標的分子探索と化合物最適化です。前者は文献や瀬踏み実験等から仮説を設定すると共に医療ニーズ等の情報を付与し狙うべきターゲットの選択を行います。後者は、標的分子の機序に基づき、細胞/ 組織等を用いるin vitro 評価系、 病態モデル動物等を用いるin vivo 評価系で、化合物の作用を検証し新薬として磨き上げる仕事です。いずれもオリジナリティやスピード感、粘り強さが求められますが、非常にやりがいがある仕事です。富山大学で学んだ知識と経験は創薬研究における礎であることは間違いありません。
最後に研究開発の醍醐味を2人の名言で。
Imagination is more important than knowledge. - Albert Einstein -
Stay hungry, stay foolish. - Steven Paul “Steve” Jobs

患者さんのもとへ
高品質な製品を確実に提供する

山本 章人
平成25年学士・平成27年修士
アステラスファーマテック株式会社 富山技術センター

私は現在、製薬企業の医薬品製造職として、発酵由来の医薬品(原薬)製造を行っています。「製造職」と聞くと毎回同じ作業というイメージを持つ方がいるかもしれませんが、決して単調な業務ではありません。患者さんのもとへ高品質な製品を確実に提供するために、効率よく製品を製造する生産体制を維持する必要があります。また発酵工程は化学的手法とは異なり、微生物(生き物)を相手にするため、安定的に生産し続けることは容易ではありません。製造工程結果だけでなく、過去の実験データや文献の調査及び解析結果から仮説を立て、その仮説が正しいかどうかをそれ以降のデータベースで検証するといった作業を繰り返して改善を行い、本質を見極めながら業務に取り組んでいます。
大学及び大学院時代に所属していた研究室では、微生物や動物は一切扱わず、標的のタンパク質を蛍光化するといった、現在の業務とは一見かけ離れた研究をしていましたが、目的を達成するために必要なプロセスは何ら変わりません。学生時代に研究を通して学んだことで、そのプロセスを構築する能力は鍛え上げられました。今後も富山大学で培った経験を存分に活用し、様々な領域の知識・技術を高めて、社会に貢献したいと思います。

薬剤師の仕事に
やりがいを感じる日々

木下 由梨
平成29年学士
株式会社オルタナ 西尾薬局

私は、富山県内で薬局薬剤師として働いております。医師からの処方箋を基に、医薬品を調剤し、患者様へお渡ししています。その際、処方薬の用法用量は適切か、処方薬が患者様の病態に対して悪影響を及ぼさないか等、患者様へ安全に医薬品を届けるための確認を行っております。医薬品は、病気を治すために使用されますが、間違った使い方をすれば命を奪いうる危険性も併せ持っています。薬剤師は、患者様の健康を守るための職業であると、やりがいをもって、日々勤めております。
私は学生時代、卒業研究として薬物動態に関しての基礎研究を行っておりました。遺伝子解析や細胞実験、動物実験といった、現在の業務に直接的には関係なく思える内容です。しかし、その時に得た経験は、今の業務に繋がっていると感じることが多いです。例えば、他の医療従事者や患者様への論理的な説明の仕方や、薬物間相互作用を推測する上での基本的な考え方等は、学生時代の研究活動を通して身に付けることが出来たと感じています。
富山大学では、薬学的な”知識”だけでなく、”考える力”を養うことが出来ます。大学生活で学んだことを活かして、これからも患者様の健康に貢献できるよう努力していきたいと思います。

後発医薬品の承認審査と
国際業務を通して

栗林 亮佑
平成15年学士・平成17年修士・平成28年博士
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
ジェネリック医薬品等審査部

私は、現在、後発医薬品の承認審査業務と国際業務に携わっています。
後発医薬品の審査では、製薬企業が提出する品質と生物学的同等性試験の結果が主な審査内容になります。品質の審査では、後発医薬品の作り方(製造方法)の確認から、製造された医薬品が予め設定された管理項目(規格)に適合するかについて審査を行っています。また、生物学的同等性試験の審査では、先発医薬品と後発医薬品をヒトに投与した時の血中薬物濃度を比較することで、後発医薬品が先発医薬品と同等の有効性及び安全性を有するかどうかを審査しています。
国際業務では、医薬品規制調和国際会議(ICH)及び後発医薬品の承認審査における規制協力の促進を図るための国際会議(IGDRP)に参加しています。各国の審査基準、審査方法に関する議論を通して、我が国の医薬品の審査をより効率的にするための方策について考えています。この国際会議での活動を通じて、製薬企業の医薬品開発の効率化を図り、国民の健康増進や医療費の削減につなげられればと考えています。
どちらの業務も国民の健康増進につながる仕事であるため、大変やりがいのある仕事であると感じています。